©2023 TIFF
東京グランプリは『雪豹』が受賞!
最優秀監督賞・観客賞『正欲』が2冠、最優秀女優賞・審査員特別賞『タタミ』も2冠!
10月23日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第36回東京国際映画祭が、11月1日(水)に閉幕を迎え、TOHOシネマズ 日比谷スクリーン12にてクロージングセレモニーと東京日比谷ミッドタウンBASE Q HALLにてコンペティション作品審査委員&受賞者記者会見を行いました。
セレモニーでは、各部門における審査委員からの受賞作品の発表・授与。最優秀監督賞・観客賞で日本の『正欲』が2冠、最優秀女優賞・審査員特別賞でイラン系フランス人女性監督とアメリカ系イスラエル人監督の共同監督作『タタミ』が2冠を受賞。【東京グランプリ/東京都知事賞】には今年急逝した故ペマ・ツェテンの『雪豹』が選出され審査委員長ヴィム・ヴェンダースよりトロフィーを授与、小池百合子東京都知事に代わり産業労働局次長 松本明子より麒麟像の授与を行い、最後に安藤チェアマンによる閉会宣言により第36回東京国際映画祭は閉幕しました。
受賞一覧はコチラ
受賞者コメント:
■セレモニー
<Amazon Prime Video テイクワン賞>
Amazon Prime Video 審査委員特別賞 『ビー・プリペアード』 安村栄美(監督)コメント:
俳優の菊池明明さんが7月ごろに「短編映画を作ろう、女四人が出てくる映画を作ろう」と言ってくれたので、実現できたと思っています。仲間たちのおかげで映画が撮れていると思っているので、本当にありがたく思っております。
Amazon Prime Video テイクワン賞受賞 『Gone with the wind』 楊礼平(監督) コメント:
今回、フランスでハンディカムで撮った作品が、このような形で受賞させていただき誠に感動いたしました。
わからなくても自由に映画が撮れる、僕にとってすごくロマンなことだと思います。
<アジアの未来>
作品賞受賞 『マリア』 メへディ・アスガリ・アズガディ(監督)(編集:エルナズ・エバドラヒ 代読)コメント
東京映画祭、審査員の方々、この映画をセレクトしてくれた方々、本当に心よりお礼を申し上げます。この賞をいただき、私はもう一回映画でこれから人生を歩んでいけるという力を貰いました。映画に関わったすべての人にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思っております。また、私たちのイラン映画の巨匠であるアミール・ナデリ監督にはお礼を申し上げたいと思います。私たちはいただいたこの賞をアミール・ナデリ監督に差し上げたいと思います。
<コンペティション>
観客賞受賞 『正欲』岸善幸(監督)コメント:
この作品は、多様性の中“多様性”という言葉に弾かれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、非常に些細な小さな人間たちを題材にしています。言葉だけでなく、この映画を見てたくさんの人が多様性の本当の意味を感じていただければと思っています。こんな素敵な賞をいただけて幸せです。主演の稲垣さん、新垣さん、磯村さんみなさんに伝えたいと思います。
最優秀芸術貢献賞受賞 『ロングショット』ガオ・ポン(監督)コメント:
この瞬間を、映画の撮影のために一緒にやってきてくださった、色々なスタッフや役者の皆さんに捧げたいと思います。そして、新人監督としての私に素晴らしい制作の環境を提供してくださったのです。私はこの『ロングショット』を若手の監督として撮るために、数々の先輩方に学ばせていただきご支援をいただきました。中国の映画界では、若手を支えようという雰囲気がございます。この素晴らしい伝統的な雰囲気をこれからもぜひ持ち続けていけるように私たちも頑張りたいと思います。ずっと夢見てきたこの映画を作るために、このような名誉な賞をいただいたということは、夢ではなくて現実になったのだと思います。
今、世界では戦争が頻発し、そして非常に苦しい中で生きている人たちがいます。しかし映画の役割というのは人と人の心と心を繋ぎ、世界を平和に導くものだと私は信じております。
最優秀男優賞受賞 『ロクサナ』 ヤスナ・ミルターマスブ(俳優) コメント:
まず、このいただいた賞を監督のパルヴィズ・シャーバズィさんに伝えたいと思います。ムスリムだろうがクリスチャンだろうがユダヤだろうが関係ないと思います。我々の命の中で一番最低なのは、もちろん戦争ですし、子供がその中で亡くなっていくのはやはりいけないことだと思います、戦争を止めましょう。
最優秀女優賞受賞 『タタミ』ザル・アミール(監督/俳優) コメント:
(ビデオメッセージ)
大きな驚きとともに受賞を光栄に思います。日本で皆さんと一緒にお祝いしたかったです。これは私にとって特別で大きな意味をもつ受賞です。イラン人アスリートは常にスポーツと国の間に置かれて恐怖を乗り越え尊厳を失わないようにしています。その立場は私も共感できることばかりでした。この作品に登場するマリアムもそうした一人です。彼女は自由を得ながらも大きな代償を払うことになります。最高のパートナーであるアリエンヌ・マンディがいなければこのような作品にはならなかったでしょう。彼女の献身的な仕事に対する私の感謝の気持ちは計り知れません。
最優秀監督賞 『正欲』 岸善幸監督 コメント:
(監督作として)4作品目の作品ですけれども、名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りの励みになります。これからも頑張っていこうと思います。この作品が映画いているのは多様性ということの意味を、すべての人が自由で偽らずに生きていける社会とは何かということを問いかけています。世界、日本もそうですけれども中々自分のアイデンティティを確立するのが難しい時代です。この作品をみて多様性の意味というのを皆さんに考えていただけたら本当に嬉しいです。これを励みにこれからもいろんな映画をいろんなテーマで作っていきたいと思います。
審査員特別賞受賞 『タタミ』 ザル・アミール(共同監督/俳優)/ガイ・ナッティヴ(共同監督) コメント:
(ザル・アミール ビデオメッセージ)
世界は燃えています。いたるところで無実の人々が不正により血を流し、私たちが生み出した混乱のなかで無力になっています。しかし、私たちは映画を作りました。この映画は憎しみ合うように育てられた人々の奇跡的な組み合わせにより生まれた物語です。イスラエルとイランの監督が一緒に仕事をするのはとても大変なことです。あらゆる困難を乗り越えて初めて団結し、歴史を作ることになるのです。しかし、映画が公開された時は歴史がこのように動くとは思っていませんでした。この映画にひとつの力があるとすれば、それは闇の時代に光と戯れることでしょう。日本で「柔道」という言葉は柔和な道を意味すると聞きました。それこそが私たちが進みたい道です。未来ある唯一の道です。この映画は、普遍的な問題を語っています。憎しみに向き合い敬意を示す勇気をどう持ちうるかです。
(ガイ・ナッティヴ ビデオメッセージ)
『タタミ』は日本の伝統へのオマージュであり相手を敬うことでもあります。そして、イスラエル人とイラン人の初の共同作業でもありました。私たちは政府が阻止しようとしていたことを実行したのです。兄弟姉妹になるために協力し合いました。そのことを認めてくださり映画を見てくれて、感謝しています。そして困難な状況の中で生きている私たち全員にとって、それがどれほど重要なことなのかを理解してくれたことに感謝します。この映画が暗いトンネルの中の小さな光明となることを願っています。
東京グランプリ/東京都知事賞受賞『雪豹』 監督 ペマ・ツェテン監督
代理 ジョン・ハオ(エグゼクティブ・プロデューサー) コメント:
非常に残念なことに私たちのペマ・ツェテン監督はここにくることができませんでした。しかしながら、今日こうやっていただいた賞は、私たちに与えてくれた賞だと思います。ペマ・ツェテン監督は、チベット語でチベットの映画を撮る、その開拓者でありました。そして小説家でもあり、この20年来監督は小説を書き続けており世界的にも受け入れられておりました。ペマ・ツェテン監督は初期から晩年にいたるまで様々なスタイルを貫いてチャレンジして撮ってきた監督です。『雪豹』はコロナの期間に準備が始められて2023年に完成したものです。チベットの高原地帯の様々な自然の生態系などをテーマに描きながら、非常に幻想的なところもあるという作風で描いた作品でした。ペマ・ツェテン監督の精神を、意思を継いでこれからも映画を作っていきたいと思います。
『雪豹』 ジンパ(俳優)コメント:
監督はもうここにはおられませんですけれども、監督と一緒に映画を撮ってきたものとして心から感謝したいと思います。
『雪豹』ション・ズーチー(俳優)コメント:
この作品に出させていただいたことを嬉しく思っております。今日は感動で胸がいっぱいでございます。ペマ・ツェテン監督が私たちにこういう機会を与えてくれたんだと思います。永遠に彼に感謝したいと思います。
『雪豹』ツェテン・タシ(俳優)コメント:
ペマ・ツェテン先生はここにはおりませんですけれども、私たちといつも一緒にいる気がします。先生ありがとう。
審査委員長 ヴィム・ヴェンダース コメント:
第36回東京国際映画祭の審査委員長を務められたことを光栄に思います。そして他の4人の映画関係者からなる実力派の審査員と共に世界中から集まった15本のコンペティション作品を観てその中から満場一致で東京グランプリと他の5つの賞を選ぶことができました。本当に素晴らしい作品を数多く見ることができましたが、セレクション全体が、同等の水準であるかどうかというのは確信できませんでした。また、オープニング作品として『PERFECT DAYS』を紹介できたことを誇りに思うと共に、このような機会を与えてくれた映画祭に感謝申し上げます。東京国際映画祭大好きです。これからも成功を祈っております。
<クロージング作品>
『
ゴジラ-1.0』
神木隆之介 コメント:
今回(東京国際映画祭に)16年ぶりに、そしてこの作品がクロージング作品ということでこんなに光栄なことはないなと、そしてこの『ゴジラ-1.0』という作品で、信頼する人たちでこの場に立てることを光栄に思っております。
出演については、プレッシャーが大きかったですね。日本を代表し、そして世界でも愛されている『ゴジラ』という存在に関われて、その作品の主役をやらせていただくというのはとても大きなものを背負わなければいけないのかと、というプレッシャーが大きかったです。今は、そのプレッシャーというのはなくて、みなさんに愛されている『ゴジラ』という作品をどう楽しんでいただけてどう感じていただけるかを楽しみにしています。
浜辺美波 コメント:
私自身は東京国際映画祭に参加するのがはじめてだったので、こんなにも熱のあるイベントだとは思っていなくてかなり驚きました。楽しんでこの初めてのイベントに参加できて嬉しかったです。
『ゴジラ』という作品に出演できることが念願だったので、念願だったのでそれが叶うということで嬉しさと頑張らなきゃいけないなという気持ちになりまして、皆さんと一緒に共に作品を作る中で、皆さんの今まで培ってきたもの全力で出せるように、胸に飛び込むような気持ちで頑張っていきたいなと思います。
山崎 貴監督 コメント:
『ゴジラ』は昔、東京国際映画祭のクロージングに毎年選ばれることがありまして、最速で観れるタイミングが東京国際映画祭だったのでいいなというふうに思っていたのですけれども、久しぶりに『ゴジラ』がクロージングを飾れるということで、自分の『ゴジラ』がこの映えある場所にこられたのが非常に嬉しく思いますし、クロージングという特別な時間に皆さんに観ていただくというのが光栄です。
僕らは本当に、劇場にお客さんに来ていただきたいという思いで、体感する映画が一つのその答えなんじゃないかなと思って、劇場で観る映画に相応しいものを作ろうと思って頑張ってきましたし、素敵な映画ができたんじゃないかと思ってます。ぜひ、劇場で観ていただきたいですし、劇場というものはこんなに映画を観るのに素晴らしい場所なんだってことをもう一度認識していただいて、映画がすごく素晴らしい文化だということを改めて感じていただきたいなと思います。
■審査委員記者会見
審査委員長 ヴィム・ヴェンダース コメント:
今回『タタミ』を選んだ理由は、物語の力強さであったり役者たちの演技の力強さであったりと、映画という言語が明確であったというところで、私たちはこの作品が好きでした。私の友人のイスラエル人が言っていたことですが、イスラエル人の最も最悪な敵というのは自分たちの中にいる過激派の過激思想を持つものであるということを聞いたこともありますし、またパレスチナ側の人たちもパレスチナの過激な人たちが敵であるということをいっていたこともありました。
過去にこの二つの民族の人たちは共に、上手く生きていくことができていたということがあります。今回イラン系の女性監督とアメリカ系イスラエル人の監督とが共同制作として一緒に仕事をしたというのはとても良い例になっていると思います。それにより平和というのは実行可能であるということを示していますし、その平和の敵というのはお互いを除外する過激な思想、過激な行動であるということだと思います。
©2023 TIFF
東京グランプリは『雪豹』が受賞!
最優秀監督賞・観客賞『正欲』が2冠、最優秀女優賞・審査員特別賞『タタミ』も2冠!
10月23日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第36回東京国際映画祭が、11月1日(水)に閉幕を迎え、TOHOシネマズ 日比谷スクリーン12にてクロージングセレモニーと東京日比谷ミッドタウンBASE Q HALLにてコンペティション作品審査委員&受賞者記者会見を行いました。
セレモニーでは、各部門における審査委員からの受賞作品の発表・授与。最優秀監督賞・観客賞で日本の『正欲』が2冠、最優秀女優賞・審査員特別賞でイラン系フランス人女性監督とアメリカ系イスラエル人監督の共同監督作『タタミ』が2冠を受賞。【東京グランプリ/東京都知事賞】には今年急逝した故ペマ・ツェテンの『雪豹』が選出され審査委員長ヴィム・ヴェンダースよりトロフィーを授与、小池百合子東京都知事に代わり産業労働局次長 松本明子より麒麟像の授与を行い、最後に安藤チェアマンによる閉会宣言により第36回東京国際映画祭は閉幕しました。
受賞一覧はコチラ
受賞者コメント:
■セレモニー
<Amazon Prime Video テイクワン賞>
Amazon Prime Video 審査委員特別賞 『ビー・プリペアード』 安村栄美(監督)コメント:
俳優の菊池明明さんが7月ごろに「短編映画を作ろう、女四人が出てくる映画を作ろう」と言ってくれたので、実現できたと思っています。仲間たちのおかげで映画が撮れていると思っているので、本当にありがたく思っております。
Amazon Prime Video テイクワン賞受賞 『Gone with the wind』 楊礼平(監督) コメント:
今回、フランスでハンディカムで撮った作品が、このような形で受賞させていただき誠に感動いたしました。
わからなくても自由に映画が撮れる、僕にとってすごくロマンなことだと思います。
<アジアの未来>
作品賞受賞 『マリア』 メへディ・アスガリ・アズガディ(監督)(編集:エルナズ・エバドラヒ 代読)コメント
東京映画祭、審査員の方々、この映画をセレクトしてくれた方々、本当に心よりお礼を申し上げます。この賞をいただき、私はもう一回映画でこれから人生を歩んでいけるという力を貰いました。映画に関わったすべての人にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思っております。また、私たちのイラン映画の巨匠であるアミール・ナデリ監督にはお礼を申し上げたいと思います。私たちはいただいたこの賞をアミール・ナデリ監督に差し上げたいと思います。
<コンペティション>
観客賞受賞 『正欲』岸善幸(監督)コメント:
この作品は、多様性の中“多様性”という言葉に弾かれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、非常に些細な小さな人間たちを題材にしています。言葉だけでなく、この映画を見てたくさんの人が多様性の本当の意味を感じていただければと思っています。こんな素敵な賞をいただけて幸せです。主演の稲垣さん、新垣さん、磯村さんみなさんに伝えたいと思います。
最優秀芸術貢献賞受賞 『ロングショット』ガオ・ポン(監督)コメント:
この瞬間を、映画の撮影のために一緒にやってきてくださった、色々なスタッフや役者の皆さんに捧げたいと思います。そして、新人監督としての私に素晴らしい制作の環境を提供してくださったのです。私はこの『ロングショット』を若手の監督として撮るために、数々の先輩方に学ばせていただきご支援をいただきました。中国の映画界では、若手を支えようという雰囲気がございます。この素晴らしい伝統的な雰囲気をこれからもぜひ持ち続けていけるように私たちも頑張りたいと思います。ずっと夢見てきたこの映画を作るために、このような名誉な賞をいただいたということは、夢ではなくて現実になったのだと思います。
今、世界では戦争が頻発し、そして非常に苦しい中で生きている人たちがいます。しかし映画の役割というのは人と人の心と心を繋ぎ、世界を平和に導くものだと私は信じております。
最優秀男優賞受賞 『ロクサナ』 ヤスナ・ミルターマスブ(俳優) コメント:
まず、このいただいた賞を監督のパルヴィズ・シャーバズィさんに伝えたいと思います。ムスリムだろうがクリスチャンだろうがユダヤだろうが関係ないと思います。我々の命の中で一番最低なのは、もちろん戦争ですし、子供がその中で亡くなっていくのはやはりいけないことだと思います、戦争を止めましょう。
最優秀女優賞受賞 『タタミ』ザル・アミール(監督/俳優) コメント:
(ビデオメッセージ)
大きな驚きとともに受賞を光栄に思います。日本で皆さんと一緒にお祝いしたかったです。これは私にとって特別で大きな意味をもつ受賞です。イラン人アスリートは常にスポーツと国の間に置かれて恐怖を乗り越え尊厳を失わないようにしています。その立場は私も共感できることばかりでした。この作品に登場するマリアムもそうした一人です。彼女は自由を得ながらも大きな代償を払うことになります。最高のパートナーであるアリエンヌ・マンディがいなければこのような作品にはならなかったでしょう。彼女の献身的な仕事に対する私の感謝の気持ちは計り知れません。
最優秀監督賞 『正欲』 岸善幸監督 コメント:
(監督作として)4作品目の作品ですけれども、名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りの励みになります。これからも頑張っていこうと思います。この作品が映画いているのは多様性ということの意味を、すべての人が自由で偽らずに生きていける社会とは何かということを問いかけています。世界、日本もそうですけれども中々自分のアイデンティティを確立するのが難しい時代です。この作品をみて多様性の意味というのを皆さんに考えていただけたら本当に嬉しいです。これを励みにこれからもいろんな映画をいろんなテーマで作っていきたいと思います。
審査員特別賞受賞 『タタミ』 ザル・アミール(共同監督/俳優)/ガイ・ナッティヴ(共同監督) コメント:
(ザル・アミール ビデオメッセージ)
世界は燃えています。いたるところで無実の人々が不正により血を流し、私たちが生み出した混乱のなかで無力になっています。しかし、私たちは映画を作りました。この映画は憎しみ合うように育てられた人々の奇跡的な組み合わせにより生まれた物語です。イスラエルとイランの監督が一緒に仕事をするのはとても大変なことです。あらゆる困難を乗り越えて初めて団結し、歴史を作ることになるのです。しかし、映画が公開された時は歴史がこのように動くとは思っていませんでした。この映画にひとつの力があるとすれば、それは闇の時代に光と戯れることでしょう。日本で「柔道」という言葉は柔和な道を意味すると聞きました。それこそが私たちが進みたい道です。未来ある唯一の道です。この映画は、普遍的な問題を語っています。憎しみに向き合い敬意を示す勇気をどう持ちうるかです。
(ガイ・ナッティヴ ビデオメッセージ)
『タタミ』は日本の伝統へのオマージュであり相手を敬うことでもあります。そして、イスラエル人とイラン人の初の共同作業でもありました。私たちは政府が阻止しようとしていたことを実行したのです。兄弟姉妹になるために協力し合いました。そのことを認めてくださり映画を見てくれて、感謝しています。そして困難な状況の中で生きている私たち全員にとって、それがどれほど重要なことなのかを理解してくれたことに感謝します。この映画が暗いトンネルの中の小さな光明となることを願っています。
東京グランプリ/東京都知事賞受賞『雪豹』 監督 ペマ・ツェテン監督
代理 ジョン・ハオ(エグゼクティブ・プロデューサー) コメント:
非常に残念なことに私たちのペマ・ツェテン監督はここにくることができませんでした。しかしながら、今日こうやっていただいた賞は、私たちに与えてくれた賞だと思います。ペマ・ツェテン監督は、チベット語でチベットの映画を撮る、その開拓者でありました。そして小説家でもあり、この20年来監督は小説を書き続けており世界的にも受け入れられておりました。ペマ・ツェテン監督は初期から晩年にいたるまで様々なスタイルを貫いてチャレンジして撮ってきた監督です。『雪豹』はコロナの期間に準備が始められて2023年に完成したものです。チベットの高原地帯の様々な自然の生態系などをテーマに描きながら、非常に幻想的なところもあるという作風で描いた作品でした。ペマ・ツェテン監督の精神を、意思を継いでこれからも映画を作っていきたいと思います。
『雪豹』 ジンパ(俳優)コメント:
監督はもうここにはおられませんですけれども、監督と一緒に映画を撮ってきたものとして心から感謝したいと思います。
『雪豹』ション・ズーチー(俳優)コメント:
この作品に出させていただいたことを嬉しく思っております。今日は感動で胸がいっぱいでございます。ペマ・ツェテン監督が私たちにこういう機会を与えてくれたんだと思います。永遠に彼に感謝したいと思います。
『雪豹』ツェテン・タシ(俳優)コメント:
ペマ・ツェテン先生はここにはおりませんですけれども、私たちといつも一緒にいる気がします。先生ありがとう。
審査委員長 ヴィム・ヴェンダース コメント:
第36回東京国際映画祭の審査委員長を務められたことを光栄に思います。そして他の4人の映画関係者からなる実力派の審査員と共に世界中から集まった15本のコンペティション作品を観てその中から満場一致で東京グランプリと他の5つの賞を選ぶことができました。本当に素晴らしい作品を数多く見ることができましたが、セレクション全体が、同等の水準であるかどうかというのは確信できませんでした。また、オープニング作品として『PERFECT DAYS』を紹介できたことを誇りに思うと共に、このような機会を与えてくれた映画祭に感謝申し上げます。東京国際映画祭大好きです。これからも成功を祈っております。
<クロージング作品>
『
ゴジラ-1.0』
神木隆之介 コメント:
今回(東京国際映画祭に)16年ぶりに、そしてこの作品がクロージング作品ということでこんなに光栄なことはないなと、そしてこの『ゴジラ-1.0』という作品で、信頼する人たちでこの場に立てることを光栄に思っております。
出演については、プレッシャーが大きかったですね。日本を代表し、そして世界でも愛されている『ゴジラ』という存在に関われて、その作品の主役をやらせていただくというのはとても大きなものを背負わなければいけないのかと、というプレッシャーが大きかったです。今は、そのプレッシャーというのはなくて、みなさんに愛されている『ゴジラ』という作品をどう楽しんでいただけてどう感じていただけるかを楽しみにしています。
浜辺美波 コメント:
私自身は東京国際映画祭に参加するのがはじめてだったので、こんなにも熱のあるイベントだとは思っていなくてかなり驚きました。楽しんでこの初めてのイベントに参加できて嬉しかったです。
『ゴジラ』という作品に出演できることが念願だったので、念願だったのでそれが叶うということで嬉しさと頑張らなきゃいけないなという気持ちになりまして、皆さんと一緒に共に作品を作る中で、皆さんの今まで培ってきたもの全力で出せるように、胸に飛び込むような気持ちで頑張っていきたいなと思います。
山崎 貴監督 コメント:
『ゴジラ』は昔、東京国際映画祭のクロージングに毎年選ばれることがありまして、最速で観れるタイミングが東京国際映画祭だったのでいいなというふうに思っていたのですけれども、久しぶりに『ゴジラ』がクロージングを飾れるということで、自分の『ゴジラ』がこの映えある場所にこられたのが非常に嬉しく思いますし、クロージングという特別な時間に皆さんに観ていただくというのが光栄です。
僕らは本当に、劇場にお客さんに来ていただきたいという思いで、体感する映画が一つのその答えなんじゃないかなと思って、劇場で観る映画に相応しいものを作ろうと思って頑張ってきましたし、素敵な映画ができたんじゃないかと思ってます。ぜひ、劇場で観ていただきたいですし、劇場というものはこんなに映画を観るのに素晴らしい場所なんだってことをもう一度認識していただいて、映画がすごく素晴らしい文化だということを改めて感じていただきたいなと思います。
■審査委員記者会見
審査委員長 ヴィム・ヴェンダース コメント:
今回『タタミ』を選んだ理由は、物語の力強さであったり役者たちの演技の力強さであったりと、映画という言語が明確であったというところで、私たちはこの作品が好きでした。私の友人のイスラエル人が言っていたことですが、イスラエル人の最も最悪な敵というのは自分たちの中にいる過激派の過激思想を持つものであるということを聞いたこともありますし、またパレスチナ側の人たちもパレスチナの過激な人たちが敵であるということをいっていたこともありました。
過去にこの二つの民族の人たちは共に、上手く生きていくことができていたということがあります。今回イラン系の女性監督とアメリカ系イスラエル人の監督とが共同制作として一緒に仕事をしたというのはとても良い例になっていると思います。それにより平和というのは実行可能であるということを示していますし、その平和の敵というのはお互いを除外する過激な思想、過激な行動であるということだと思います。