フラン・ルーベル・クズイ監督とダイアモンド☆ユカイ
第36回東京国際映画祭で10月30日、特別企画『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』上映があり、フラン・ルーベル・クズイ監督、プロデューサーの葛井克亮らが舞台挨拶を行った。また、田所豊名義で1988年に公開された本作で俳優デビューしたダイアモンド☆ユカイが、サプライズで登場し、作品を語った。
『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』は、クズイ監督自身の体験をもとに、NYから東京にやってきた若い女性の、外国人ならではの視点でとらえた80年代の日本社会、若者文化や恋愛を描いたロックンロールストーリー。当時活躍していた日本の俳優、芸能人、ミュージシャンらも数多く登場する。
葛井プロデューサーは、本作について「35年前に製作しましたが、配給会社が倒産してフィルムが行方不明となっていました。3年前に4Kデジタル版で復元し、その後アメリカでも20都市、フランス、イギリスでも公開されています。日本で35年ぶりにご覧いただけるとことなりました」と紹介し、「デジタル復元は映画文化に大事なこと」と強調した。
クズイ監督は「この映画の背景は86年のことです。当時、ワープロで脚本を書き、フロッピーで保存して、携帯電話はレンガほどの大きさがありました。マドンナやミュータント・ニンジャが人気の時代でした。私が映画を作りたいという話をしたら、当時仲の良かったジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、コーエン兄弟、キース・へリングたちは私を励ましてくれました。今回のレストア化は、この作品をまた作り直しているようでした。レストレーションの大切さは何十年も前に見た映画と再会できること。また新しい友人として映画に出会う方もいらっしゃるでしょう」と製作当時を振り返りながら、日本での上映を喜んだ。
また、クズイ監督と親交のある富山の寺の住職、川上さんも登壇。「私は35年前、19歳でした。挫折もあり富山に帰りましたが、当時は東京の文化、ミニシアターなどに憧れており、19歳の時に新宿の映画館に行って初めて見た映画がこの『
TOKYO POP』でした。映画の主人公の目線が、地方から始めて東京にきた私と重なりました。映画館を出て吸った空気が東京の最初の空気だった気がします。ストーリーはあまり覚えていませんが、古い友人と再会するような気持ちです」と感想を述べた。
この日は『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』上映後に「インディーズ映画の復元と保存の重要性」をテーマにしたシンポジウムが開催された。開催前にサプライズ登場したダイアモンド☆ユカイは、「LAのプレミアで、自分を見て感動しました。時代を経て、もっと『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』の良さが伝わってきました。デジタルリマスターでアメリカのインディーズ映画として初めて復元されて、日本の80年代がよみがえるとは素晴らしいこと。キャリー・ハミルトン、塩沢ときさん、殿山泰司さん、丹波哲郎さんも…みんな天国に行ってしまいましたが、ここにいるようです。復元最高。こんな時代、古き良き80年代、バブルの最盛期の日本が見られるとは、『
PERFECT DAYS』とともにこっちも応援していただけたらうれしいです」としみじみ思い出を語る。最後に「今、妻と別居していて、こちらも復元中です。ロックンロール!」とジョークを交え会場を盛り上げていた。
フラン・ルーベル・クズイ監督とダイアモンド☆ユカイ
第36回東京国際映画祭で10月30日、特別企画『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』上映があり、フラン・ルーベル・クズイ監督、プロデューサーの葛井克亮らが舞台挨拶を行った。また、田所豊名義で1988年に公開された本作で俳優デビューしたダイアモンド☆ユカイが、サプライズで登場し、作品を語った。
『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』は、クズイ監督自身の体験をもとに、NYから東京にやってきた若い女性の、外国人ならではの視点でとらえた80年代の日本社会、若者文化や恋愛を描いたロックンロールストーリー。当時活躍していた日本の俳優、芸能人、ミュージシャンらも数多く登場する。
葛井プロデューサーは、本作について「35年前に製作しましたが、配給会社が倒産してフィルムが行方不明となっていました。3年前に4Kデジタル版で復元し、その後アメリカでも20都市、フランス、イギリスでも公開されています。日本で35年ぶりにご覧いただけるとことなりました」と紹介し、「デジタル復元は映画文化に大事なこと」と強調した。
クズイ監督は「この映画の背景は86年のことです。当時、ワープロで脚本を書き、フロッピーで保存して、携帯電話はレンガほどの大きさがありました。マドンナやミュータント・ニンジャが人気の時代でした。私が映画を作りたいという話をしたら、当時仲の良かったジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、コーエン兄弟、キース・へリングたちは私を励ましてくれました。今回のレストア化は、この作品をまた作り直しているようでした。レストレーションの大切さは何十年も前に見た映画と再会できること。また新しい友人として映画に出会う方もいらっしゃるでしょう」と製作当時を振り返りながら、日本での上映を喜んだ。
また、クズイ監督と親交のある富山の寺の住職、川上さんも登壇。「私は35年前、19歳でした。挫折もあり富山に帰りましたが、当時は東京の文化、ミニシアターなどに憧れており、19歳の時に新宿の映画館に行って初めて見た映画がこの『
TOKYO POP』でした。映画の主人公の目線が、地方から始めて東京にきた私と重なりました。映画館を出て吸った空気が東京の最初の空気だった気がします。ストーリーはあまり覚えていませんが、古い友人と再会するような気持ちです」と感想を述べた。
この日は『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』上映後に「インディーズ映画の復元と保存の重要性」をテーマにしたシンポジウムが開催された。開催前にサプライズ登場したダイアモンド☆ユカイは、「LAのプレミアで、自分を見て感動しました。時代を経て、もっと『
TOKYO POP 4Kデジタルリマスター版』の良さが伝わってきました。デジタルリマスターでアメリカのインディーズ映画として初めて復元されて、日本の80年代がよみがえるとは素晴らしいこと。キャリー・ハミルトン、塩沢ときさん、殿山泰司さん、丹波哲郎さんも…みんな天国に行ってしまいましたが、ここにいるようです。復元最高。こんな時代、古き良き80年代、バブルの最盛期の日本が見られるとは、『
PERFECT DAYS』とともにこっちも応援していただけたらうれしいです」としみじみ思い出を語る。最後に「今、妻と別居していて、こちらも復元中です。ロックンロール!」とジョークを交え会場を盛り上げていた。