10/26(木) Nippon Cinema Now『左手に気をつけろ』上映後に、井口奈己監督、名古屋 愛さん(俳優)、北口美愛さん(俳優)、松本 桂さん(俳優)をお迎えし、Q&Aが行われました。
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井口奈己監督(以下、監督):本日はご来場ありがとうございました。この映画は短めなので、どこで上映できるのか心配していたのですが、選定してくださりありがとうございました。
名古屋 愛さん(以下、名古屋さん):ご来場ありがとうございます。井口さんがこの撮影のときに、「そのまんまきて、そのまんまやっていいよ」といってくださいました。子供たちもたくさん出演していて、子供たちにも同じようにいってらして、そういう緩い感じで自分もやっていたので、みなさんも緩い感じで観ていただけたら嬉しいなと思います。
北口美愛さん(以下、北口さん):顔合わせのときから今まで、ただただ楽しくここまでやってきて、自分がこの場所に立っていることがいまだに実感を持てていなくて、不思議な感じです。みなさんに観ていただけるのがすごく嬉しいです。
松本 桂さん(以下、松本さん):今日はありがとうございます。僕は以前に通っていた映画の学校で映画を作る側として井口監督に教わっていたのですが、ある夜突然、「出ませんか」といわれ、お受けしたら、まさかこんなことになると思っていなくて、人生の思い出を今かみしめています。
市山尚三プログラミング・ディレクター(以下、市山PD):この作品は45分以内という変則的な時間の作品ですが、どのような意図、経緯で作られたのでしょうか?
監督:今回の映画は、小説家の金井美恵子さんとお姉さまでアーティストの金井久美子さんがコロナの前頃に映画を作ったらいいじゃないといってくださって、コロナになって2年ぐらい音沙汰なかったのですが、「本気よ」と電話がかかってきて、子供が暴れるということと短編でということでこういう形になったのですが、短編映画は通常30分ということを知らなくて少し長くなってしまいました。
市山PD:短編の決まりがあるわけではないのですが、海外の短編映画祭では30分以内が多いですね。キャスティングは子供たちを含めて、監督が決められたのですか?
監督:まず子供が暴れるということをどうにかしなくてはならなくて、子供が暴れるということを下敷きにして、たくさん子供が必要ということがありました。大人のパートは、脚本を書いている段階で、知り合いの役者さんがいないので何人も紹介していただいきました。その中でも、写真を見た段階で主演は名古屋さんがいいんじゃないかと一発で思ったのですが、写真だけ見て決めてしまうのはどうだろうかと。しかし、名古屋さんのインスタグラムを見たらエイゼンシュテインの本を読破して楽しかったという写真が載っていて、この人しかいないと思い、演技しているところを見ていないのに決めてしまいました。北口さんは同じロケ地で撮った前作に出演していただいていて、今回の役柄は、感じのいい美女、男気のある美女がいいな、実体験で美女は女の敵ではないことが多いので、そういう人がいないかなと思っていたら、北口さんには前にも映画に出てもらっていたことに気付いてオファーしました。3年ぶりに連絡したら出てくれることになりました。
市山PD:松本さんは学生でいらしたのですよね?
監督:そうなんです。学生と講師の間は個人的に仲良くならないようにしていて、長らくオファーしない方がいいと思っていました。2月の恵比寿映像祭のときに観にきてくれて、感想をしゃべっている姿を見て松本さんしかいないなと思い、自分の掟を破って松本さんにオファーしました。
市山PD:撮影は今年になってからということですね。
監督:3月からです。
市山PD:撮影期間はどれぐらいですか?
監督:1か月ぐらいです。
市山PD:完成したのは夏ぐらいですか?
監督:そうですね。夏です。
市山PD:今回プレミアを迎え、これからいろいろな上映の機会があると思いますが、今のところまだ劇場公開は決まっていないのですか?
監督:まだ決まっていないですけど、頑張ってみようと思います。
市山PD:これからご覧になるみなさんへひとことお願いします。
名古屋さん:さっき出し切ったのですが(笑)。短いけれどいろいろなことが起こると思うので、びっくりしてください。
北口さん:愛ちゃんがさっきいっていましたが、顔合わせのときに監督から、犬や子供がたくさん出てくる映画だから、犬や子供に負けないぐらい自由にやってほしい、といわれたのがすごく嬉しかったので、楽しい感じが表れていたら嬉しいなと思います。
松本さん:40分の映画って、普段あまり観ないですけれど、心地いいものだと思いました。映画館で2時間の映画って疲れるなと思うことがあるので、すごくいい長さでリラックスできると思いますし、井口監督のファンの方もいらっしゃると思うので、他の作品との関係も発見できて楽しいのではないかと思います。
監督:楽しんで観ていただけたら嬉しいです。1回観るだけだと、子供と後半に出てくるある女性に感想が持っていかれるので、よければ何回か観ていただけたらと思います。