第36回東京国際映画祭のユース部門の特別企画として、8月に行われた中学生向けワークショップ「TIFFティーンズ映画教室2023」で制作された3作品の上映が、10月29日に行われた。ワークショップに参加した18人の中学生たちと特別講師を務めた真利子哲也監督らが上映後の舞台挨拶に登壇した。
本企画は、東京国際映画祭が全国各地で子どもたちを対象に映画鑑賞・制作ワークショップを開催してきた「一般社団法人こども映画教室」と組んで行う中学生向けのワークショップ。
18人の中学生たちが赤・青・黄の3チームに分かれ、8日間にわたるワークショップの中で、自分たちで監督・俳優のみならず、撮影や録音、編集なども担い短編映画を制作した。赤チームは真利子監督、青チームは「ケイコ 目を澄ませて」などの編集を手がけてきた大川景子、黄チームは「石がある」がベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品された太田達成監督がリーダーとして中学生たちを導き、「かえして」(赤チーム)、「もう悲しみをはなさないで」(青チーム)、「あの夏、孤独と共に」を(黄チーム)が完成した。
赤チーム『かえして』
青チーム『もう悲しみをはなさないで』
黄チーム『あの夏、孤独と共に』
真利子監督が与えた共通のテーマは「衝動」。挨拶に立った真利子監督は「春先にお話をいただいて、過去の資料を見ながら決めたんですが、自分が映画を始めた時のことを思い出して「衝動」というテーマを投げかけ、みんなで「衝動って何だろう?」と考えながら作りました」と語り、酷暑の中で8日間にわたって奮闘した中学生たちをねぎらった。
本日の上映に先駆け28日には国立映画アーカイブで「映画教育国際シンポジウム2023」も開催され、海外から同様の映画教育を行っている関係者を招き、海外での事例の紹介とパネルディスカッションが行われていた。
そこからのゲストとして来場したナタリー・ブルジョア氏(CCAJ/『映画、100歳の青春』)は「たった8日間で、初めて出会った仲間と一緒に映画を作るというのは大変だったと思いますが、楽しませてもらいました。音もイメージも自由に、みなさん撮りたいものを撮っていて素晴らしいです」と称賛。
釜山国際児童青少年映画祭のプログラマーを務めるエミリー・チャン氏も「みなさんの真面目な姿勢が素晴らしく、また本当によく考えて映画を作られていたと思います。人生において、とても良い経験になると思います」と目を細めた。
エディンバラ芸術大学の研究者で「Film Education Journal」の編集長を務めるジェイミー・チェンバース氏は「いずれの作品も素晴らしい瞬間がありました。『かえして』は、携帯について口論するシーンが非常に情熱的で素晴らしいショットで印象的でした。『もう悲しみをはなさないで』は非常に怖かったです。『あの夏、孤独と共に』では、2人がブランコに座り、何も語らずにただ隣にいるというラストシーンが感動的で、花のショットで終わるところも素晴らしいエンディングだったと思います」と各作品の魅力について熱く語った。
「こども映画教室」の土肥悦子代表は「このような形で映画祭が、子どもたちに映画制作のワークショップをさせてくれるというのは、非常にまれな機会だと思います」と語り、映画祭、真利子監督、子どもたちに寄り添い一緒に映画制作を行なったスタッフ、そして子どもたちを送り出した保護者への感謝を口にし「そして18人のみなさん、本当におめでとうございました」と熱いひと夏を過ごした中学生たちを称えた。
第36回東京国際映画祭のユース部門の特別企画として、8月に行われた中学生向けワークショップ「TIFFティーンズ映画教室2023」で制作された3作品の上映が、10月29日に行われた。ワークショップに参加した18人の中学生たちと特別講師を務めた真利子哲也監督らが上映後の舞台挨拶に登壇した。
本企画は、東京国際映画祭が全国各地で子どもたちを対象に映画鑑賞・制作ワークショップを開催してきた「一般社団法人こども映画教室」と組んで行う中学生向けのワークショップ。
18人の中学生たちが赤・青・黄の3チームに分かれ、8日間にわたるワークショップの中で、自分たちで監督・俳優のみならず、撮影や録音、編集なども担い短編映画を制作した。赤チームは真利子監督、青チームは「ケイコ 目を澄ませて」などの編集を手がけてきた大川景子、黄チームは「石がある」がベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品された太田達成監督がリーダーとして中学生たちを導き、「かえして」(赤チーム)、「もう悲しみをはなさないで」(青チーム)、「あの夏、孤独と共に」を(黄チーム)が完成した。
赤チーム『かえして』
青チーム『もう悲しみをはなさないで』
黄チーム『あの夏、孤独と共に』
真利子監督が与えた共通のテーマは「衝動」。挨拶に立った真利子監督は「春先にお話をいただいて、過去の資料を見ながら決めたんですが、自分が映画を始めた時のことを思い出して「衝動」というテーマを投げかけ、みんなで「衝動って何だろう?」と考えながら作りました」と語り、酷暑の中で8日間にわたって奮闘した中学生たちをねぎらった。
本日の上映に先駆け28日には国立映画アーカイブで「映画教育国際シンポジウム2023」も開催され、海外から同様の映画教育を行っている関係者を招き、海外での事例の紹介とパネルディスカッションが行われていた。
そこからのゲストとして来場したナタリー・ブルジョア氏(CCAJ/『映画、100歳の青春』)は「たった8日間で、初めて出会った仲間と一緒に映画を作るというのは大変だったと思いますが、楽しませてもらいました。音もイメージも自由に、みなさん撮りたいものを撮っていて素晴らしいです」と称賛。
釜山国際児童青少年映画祭のプログラマーを務めるエミリー・チャン氏も「みなさんの真面目な姿勢が素晴らしく、また本当によく考えて映画を作られていたと思います。人生において、とても良い経験になると思います」と目を細めた。
エディンバラ芸術大学の研究者で「Film Education Journal」の編集長を務めるジェイミー・チェンバース氏は「いずれの作品も素晴らしい瞬間がありました。『かえして』は、携帯について口論するシーンが非常に情熱的で素晴らしいショットで印象的でした。『もう悲しみをはなさないで』は非常に怖かったです。『あの夏、孤独と共に』では、2人がブランコに座り、何も語らずにただ隣にいるというラストシーンが感動的で、花のショットで終わるところも素晴らしいエンディングだったと思います」と各作品の魅力について熱く語った。
「こども映画教室」の土肥悦子代表は「このような形で映画祭が、子どもたちに映画制作のワークショップをさせてくれるというのは、非常にまれな機会だと思います」と語り、映画祭、真利子監督、子どもたちに寄り添い一緒に映画制作を行なったスタッフ、そして子どもたちを送り出した保護者への感謝を口にし「そして18人のみなさん、本当におめでとうございました」と熱いひと夏を過ごした中学生たちを称えた。