『ロボット・ドリームズ』のパブロ・ベルヘル監督
第36回東京国際映画祭のアニメーション部門で10月29日、スペインとフランス合作の劇場アニメ『
ロボット・ドリームズ』がジャパンプレミア上映され、パブロ・ベルヘル監督が東京・角川シネマ有楽でのトークショーに出席した。
本作は、マンハッタンで暮らしながら、深い孤独を抱えているドッグが、自作のロボットと友情を深めていく姿を描く。セリフはなく、80年代のニューヨーク気分が高まる音楽とともに物語がつづられる。
作中では、「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」のヒット曲「セプテンバー」が象徴的に使われている。ベルヘル監督は同曲にスポットをあてた理由を「原作はグラフィックノベルですから、2人のキャラクターのテーマソングはありません。だから僕が考えなければいけなかった。これは1年の物語だから、月ごとに描いていこうと思い、ふとセプテンバーという言葉が出てきた時に、これだと思いました」とニッコリ。そして、「セプテンバー」の最初のパートを歌うと、「この曲には、僕にとっての生涯のサプライズがあった」ことを明かした。
「歌詞の最初が「Do you remember」。「あなたは覚えていますか」という言葉で始まるんです。これはまさに僕が描きたかったこと。「あなたは元彼のことを覚えていますか」「元彼女のことを覚えていますか」「これまで出会った人たちのことを覚えていますか」という問いかけにつながるのです」
さらに「Do you remember」に続く歌詞が「The 21st night of September?」であることにもひかれたという。「The 21st night of September。9月の21番目の夜。なんと私の娘の誕生日が9月21日なんです。これは運命でしかないなと思いました」。
またキャラクターや物語の舞台の話題に及ぶと、ベルヘル監督は「ロボットとドッグはもちろんですが、この映画のもうひとりの主人公はニューヨークなんです」と説明。「実は僕がドッグなんです」と、ニューヨークで孤独を感じていたドッグに自らを重ねたことを明かす。
「僕は、大変孤独な生活をニューヨークで過ごしていました。そして恋に落ちて傷ついた。そして今度はユウコさん(ベルヘル監督の妻)と恋に落ちました。だからこそ、私はこのキャラクターに共感をもてたのです」
「これは僕にとってニューヨークへのラブレター。妻と2人で10年ほどニューヨークに住んだことがあります。お互いに、いろんな人生体験をニューヨークで積みました」
そのうえで、ベルヘル監督は「この映画を通して、人間のいろんな感情、記憶、そしていかに人生を前向きに歩いていくか、そういったことを描きたいと思いました」と、作品に込めた思いを語った。
最後のフォトセッションでは、本作のプロデューサー陣、アシスタント、そしてベルヘル監督の妻がステージに上がり、和やかなムードでイベントは幕を下ろした。
第36回東京国際映画祭は、11月1日まで開催。
『ロボット・ドリームズ』のパブロ・ベルヘル監督
第36回東京国際映画祭のアニメーション部門で10月29日、スペインとフランス合作の劇場アニメ『
ロボット・ドリームズ』がジャパンプレミア上映され、パブロ・ベルヘル監督が東京・角川シネマ有楽でのトークショーに出席した。
本作は、マンハッタンで暮らしながら、深い孤独を抱えているドッグが、自作のロボットと友情を深めていく姿を描く。セリフはなく、80年代のニューヨーク気分が高まる音楽とともに物語がつづられる。
作中では、「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」のヒット曲「セプテンバー」が象徴的に使われている。ベルヘル監督は同曲にスポットをあてた理由を「原作はグラフィックノベルですから、2人のキャラクターのテーマソングはありません。だから僕が考えなければいけなかった。これは1年の物語だから、月ごとに描いていこうと思い、ふとセプテンバーという言葉が出てきた時に、これだと思いました」とニッコリ。そして、「セプテンバー」の最初のパートを歌うと、「この曲には、僕にとっての生涯のサプライズがあった」ことを明かした。
「歌詞の最初が「Do you remember」。「あなたは覚えていますか」という言葉で始まるんです。これはまさに僕が描きたかったこと。「あなたは元彼のことを覚えていますか」「元彼女のことを覚えていますか」「これまで出会った人たちのことを覚えていますか」という問いかけにつながるのです」
さらに「Do you remember」に続く歌詞が「The 21st night of September?」であることにもひかれたという。「The 21st night of September。9月の21番目の夜。なんと私の娘の誕生日が9月21日なんです。これは運命でしかないなと思いました」。
またキャラクターや物語の舞台の話題に及ぶと、ベルヘル監督は「ロボットとドッグはもちろんですが、この映画のもうひとりの主人公はニューヨークなんです」と説明。「実は僕がドッグなんです」と、ニューヨークで孤独を感じていたドッグに自らを重ねたことを明かす。
「僕は、大変孤独な生活をニューヨークで過ごしていました。そして恋に落ちて傷ついた。そして今度はユウコさん(ベルヘル監督の妻)と恋に落ちました。だからこそ、私はこのキャラクターに共感をもてたのです」
「これは僕にとってニューヨークへのラブレター。妻と2人で10年ほどニューヨークに住んだことがあります。お互いに、いろんな人生体験をニューヨークで積みました」
そのうえで、ベルヘル監督は「この映画を通して、人間のいろんな感情、記憶、そしていかに人生を前向きに歩いていくか、そういったことを描きたいと思いました」と、作品に込めた思いを語った。
最後のフォトセッションでは、本作のプロデューサー陣、アシスタント、そしてベルヘル監督の妻がステージに上がり、和やかなムードでイベントは幕を下ろした。
第36回東京国際映画祭は、11月1日まで開催。