2023.10.24 [イベントレポート]
第36回東京国際映画祭 ついに開幕! 総勢205人の豪華ゲストが登場! レッドカーペット&オープニングセレモニー

10月23日(月)東京ミッドタウン日比谷にて第36回東京国際映画祭が開催となりました。
今年はコロナ禍による制限緩和により、総勢2000名に及ぶ多くの海外ゲストを招くことができ、従来の賑わいを取り戻しつつも更なる飛躍を遂げる年となりました。
 
東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から日比谷仲通りにかけて敷かれた165mのレッドカーペットには、トップバッターとしてクロージング作品『ゴジラ-1.0』から山崎 貴監督神木隆之介浜辺美波が登場。その後、フェスティバル・ナビゲーターの安藤桃子が父であり俳優・監督として活躍する奥田瑛二と、去年に引き続き今年のポスタービジュアルの監修を担当したコシノジュンコと共に登場。終盤には、今年度のコンペティション部門審査委員長であるヴィム・ヴェンダースが監督・脚本を務めたオープニング作品『PERFECT DAYS』より、役所広司ら出演者とプロデューサー・スタッフを含めた総勢23名と一緒に登場し、会場のボルテージも最高潮に達しました。国内外からは205名の豪華ゲストがカーペットを彩り、国内外のマスコミと観客計510名による熱気に包まれ、大いに盛り上がりを見せるレッドカーペットとなりました。
 
オープニング
 
オープニング

©2023 TIFF

 
レッドカーペットイベント終了後、東京宝塚劇場にて行われたオープニングセレモニーでは、オープニングアクトとしてヴァイオリニストの川井郁⼦が登場し、スペシャルパフォーマンスで『ラストエンペラー』、『ジョーズ』、『宇宙戦艦ヤマト』、『サウンド・オブ・ミュージック』の4曲を五重奏楽団と一緒に演奏。西村康稔経済産業省経済産業大臣の祝辞と岸田文雄首相のビデオコメントが披露され、その後今年度の特別功労賞受賞者であるチャン・イーモウ監督が登壇し、表彰が執り行われました。
その後、安藤桃子監督が登場しナビゲーター任命に対しての想いと映画祭開催に向けた意気込みについて熱く語りました。さらに、今年の各部門と審査委員が紹介され、コンペティション部門の審査委員長であるヴィム・ヴェンダースの挨拶では、映画祭に向けての想いとユーモア溢れるスピーチを披露。オープニング作品からは、役所広司ら出演者・プロデューサーの11名が登場し、映画の見どころについて明かしました。最後はチェアマンの安藤裕康による開催宣言で締めくくり、会場には大きな拍手が鳴り響き、イベントは終了しました。
 


 
特別功労賞:チャン・イーモウ監督 コメント
思い出しますと36年前、東京国際映画祭が始まったばかりの時に私は東京にやって来ましてここで主演男優賞を受賞しましたが、その時はまだ映画監督ではありませんでした。その後、18年経ち、審査委員長を務めました。そして再び、18年が経ちまして今日ここに立ってこの賞を受賞いたしました。光陰矢の如き、本当に時間が立つのは早いもので、あっという間に36年間が過ぎてしまいました。私は再び東京に戻って来まして、新しいスタートとして仕事をして参りたいと思います。私のことを評価してくださって心から感謝したいと思います。
これからも一生懸命頑張って、良い作品をたくさん撮って、良い作品を携えてまたお会いしたいと思います。
 


 
第36回東京国際映画祭フェスティバル・ナビゲーター:安藤桃子 コメント
ここまではアンバサダーというお役があったと聞いておりますが、今年からナビゲーターという役に変わりましたと聞きました。
東京国際映画祭が日本を代表して映画に関わる皆様が、世界中から集まってきて“どこに向かっていきたいか”というゴールを、コロナ禍を経て私たちが感じる機会なんじゃないかと思いました。
今日から始まります10日間の間に、世界中各国から皆様がいらっしゃり、素晴らしい作品が集まり、それぞれにストーリー、ドラマがあります。そのドラマが一つに結ばって、明るい方に進んでいくことを心から願っております。
 
Q.東京国際映画祭で楽しみにしている部門は?
オープニング作品もそうですけれども、小津安二郎監督生誕120周年という素晴らしい年でもありますし、日本の映画の”父”のどこまでも優しい視点で描かれた作品をスクリーンで4K上映で観てみたいなと思いますし、あとは“ユース部門”という若者の映画制作という部門もあります。そのカテゴリーも映画がこれから先に向かって何ができるかということを伝えていく部門なので、楽しみにしております。
 
Q.東京国際映画祭に期待することは?
改めて、映画界も撮影の技法から配信とか観る方も進化が始まっていますけれども、変わらない本質というものが中にはあります。コロナがあったからこそ命っていう、生きているという不変の絶対に変わらないことがあって、映画祭は今の時代を最も象徴しているものが集まっているので、それをみなさんと一緒に体験できることに期待し、未来を照らしてく10日間になるんじゃないかと思ってます。
 
Q.最後に一言
映画祭のナビゲーションというのは、先人のたくさんの映画人の方々が歩まれてきた道に、今を描いた作品が集結して、そして未来に繋がっていくという素晴らしいタイミングだと思っています。映画は観る方がいて、作る側がいて初めて結ばれていくものです。一緒に楽しんでいけたらと思います。
 


 
コンペティション部門 審査委員長 ヴィム・ヴェンダース
審査員と共に、コンペティション部門15作品をオープンな心と思考で拝見させていただきたいと思います。(審査には)知的な決断を下したいと思います。お約束したいのは、審査員たちと審査結果で揉めるのはクロージングセレモニーのあとにしたいと思います(笑)。
 


 
『PERFECT DAYS』:ヴィム・ヴェンダース監督 コメント
少し前に私は夢を見ました。それは日本で映画を撮りたいという夢でした。その作品の主演は、役所広司さんにお願いしたいと思い、そして田中泯さんをはじめ素晴らしい俳優の方々と一緒に作品を撮りたいと思い、その制作には柳井康治さん、脚本は高崎卓馬と一緒に書きたいと思いました。そして、カンヌ国際映画祭に出たいという夢も見ました。そして、私はこの作品で最優秀男優賞を取りたいという夢も見ました。さらに東京国際映画際でオープニングをこの作品で飾りたいという夢と、日本でこの映画を最初の皆様に見てもらいたいという夢を見ました。
今、目を覚ましたらこの場におりました。
 


 
『PERFECT DAYS』:役所広司監督 コメント
白紙の状態で見てもらうのが映画というものは、本当に驚きがあって良いなと思いますし、
この『PERFECT DAYS』にも命のある人間たちとたくさんの樹木と東京の風景があって、それに命が宿っていて生きていくものをヴェンダース監督の温かい眼差しで、人々や植物や東京の風景をカメラに収めているドキュメンタリーみたいな作品になっていると思います。
次、何が起こるか分からない、そのうち何か起こるんじゃないかというドキドキする映画を楽しんでいただきたいと思います。
 


 
チェアマンによる開会宣言
今年の上映作品は(昨年から)25%増え、作品も非常に素晴らしい作品がございます。関連イベントも大幅に増やすことができ、海外からのゲストのお客様も去年の色々な制約がある中での104名から、今年はTIFFCOMも含めて2000人近い方々に来ていただけました。
 
本日映画祭のオープニングを迎えたわけですけれども素晴らしい秋晴れで、レッドカーペットにも200人を超えるゲストをお迎えいたしました。たくさんの方々に心からの御礼を申し上げたいと思います。それではこれからの10日間、お客様に東京国際映画祭を楽しんでいただくようお願いを申しまして、第36回東京国際映画祭の開会を宣言させていただきます。

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