2023.10.23 [イベントレポート]
第36回TIFFオープニングセレモニー、ヴェンダース監督「オープニング上映の夢を見た」
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コンペ部門の審査委員長を務めるヴィム・ヴェンダース監督

第36回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月23日、有楽町の東京宝塚劇場で行われた。

川井郁子と弦楽五重奏による演奏で開幕。『ジョーズ』のテーマに始まり、坂本龍一さんと松本零士さんをしのび『ラスト・エンペラー』、『宇宙戦艦ヤマト』と続き「ドレミの歌」で締め、会場からは盛大な拍手が沸き起こった。

西村康稔経済産業相が、「35年前、私がまだ経産省の官僚だった時に東京国際映画祭を担当したことがあった。その時は徳間康快さん、岡田茂さんら凄い重鎮の方ばかりでなかなか話もできなかった。映画の可能性はもっと広げていける。東京国際映画祭が核となって、日本の映画、文化が発展していくことを期待する」と挨拶。岸田文雄首相からのビデオメッセージも流された。

特別功労賞の表彰も行われ、中国のチャン・イーモウ監督が受賞。86年『古井戸』で本映画祭の最優秀男優賞を受賞したことを振り返り、「あの頃、私はまだ監督ではなかった。光陰矢のごとしで、時間がたつのは速い。再び戻ってくることができ、これが決して終わりではなく、新たなスタートとしてこれからもいい作品を作ってまた皆さんとお会いしたい」とさらなる意欲を見せた。

コンペティション部門の審査委員長を務めるヴィム・ヴェンダース監督は、審査員のアルベルト・セラ監督、プロデューサーの國實瑞恵氏、チャン・ティ・ビック・ゴック氏、女優のチャオ・タオ氏とともに登壇。「オープンな心と思考で知的な決断を下したい。審査員同士でやり合うなら、クロージングの後で」とジョークを交え抱負を述べた。

さらに、オープニングを飾る『PERFECT DAYS』の監督としても再登場。「私は夢を見ました。日本で映画を撮りたい。主演は役所広司さんで。カンヌ映画祭に出品して、役所さんが男優賞を獲る。オスカーレース(アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表)はなかったが、東京国際映画祭でオープニング上映したい。そして今、目が覚めてここにいます」とユーモアたっぷりに語り、会場を沸かせた。役所も、「命ある人間たち、樹木たち、東京の風景をヴェンダース監督の温かいまな差しでカメラに収めたドキュメンタリーのような作品を楽しんでもらえたら」と笑顔で話した。

そして、安藤裕康チェアマンが開幕を宣言。東京国際映画祭は11月1日まで開催され、前年比約25%増となる219本が上映される。
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